6.電子化書類の多様化
6-2.電子化に際しての注意点 (旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)

ファイリングの部屋
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これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

 

書類を電子化するにはどのようにすればいいのかをまとめてみました。ノウハウというと聞こえがいいものですが、結局のところ、電子化しようとしたけれども予期しなかった何らかの障害に突き当たった、あるいは電子化してはみたものの、使いづらいものでだれも使ってくれないなどといった問題点をあらかじめ予測し、落とし穴に落ちないように注意するだけのことです。
 
紙の状態でもきちんと整理されていること
 

作成した書類、受け取った書類を紙の状態で保管することなく、すぐに電子化して、大容量のハードディスクを持つサーバー機に登録してしまうようなことは、普通はしないはずです。
それまでの間は紙の状態で保管されますが、これがきちんと整理されていなければ、書類の有効活用ができないだけでなく、電子化に際して、登録もれや二重登録などが発生する危険があります。
登録もれがダメなことはすぐに理解できますが、二重登録はどうでしょうか。あとで検索したときに、同じタイトル、キーワードで2つの書類が出てきたとき、単に二重に登録してしまったためか、どちらか一部が修正れさているかを確かめる必要があり、確認のためにムダな時間を使ってしまいます。もともと内容に修正があれば、わりに早くその違いが見つかるものですが、2つの書類が同じものであることを確認することは意外に多くの時間が必要です。

   
誰が見ても分かりやすい分類を
 

書類の分類方法にはいろいろな方法があります。個人での整理には、「超整理法」(野口悠紀雄著、中公新書)の押し出しファイリングがありますが、組織としてのファイリングでは、その組織に所属している人は誰でも分かる分類が必要です。(「個人のファイルと組織のファイル」参照)
書類の分類の例は、「書類の分類」のページであげていますので、それを参考にして、組織にあった分類法にする必要があります。
電子化した書類にキーワードをつける場合にも、この分類法もキーワードとして登録しておく方がベターと言えるでしょう。ある事柄に関連した書類を探そうとする場合などは、キーワード検索はしづらいものがあります。分類をたどったほうがやりやすいものもあります。

   
分類の構造は3段階からせいぜい5段階で
 

書類の分類はあまり細く分けすぎると、整理するときにどこに書類を分類すればいいか迷ってしまいます。また、書類を捜すときにも、同じことがいえます。
パソコンでファイルを管理するときも、ディレクトリを活用すると便利ですが、あまり階層を深くしすぎるとかえって使いづらくなります。1つのディレクトリの下に、20のサブディレクトリがあり、さらにそれぞれのサブディレクトリに20のファイルが含まれていたとすると、20×20×20で8000のファイルが整理できます。

   
1つの書類は100ページ以下を目安に
 

1つの書類が数百ページあり、これを1冊のバインダーに綴じることもありますが、そのままでは目的のページなどを探し出すのが困難です。仕切りや見出しを入れることでその書類全体が使いやすくなります。
電子化された書類も同様で、1つのファイルに数百ページが含まれていると、目的のページを探し出すのに時間がかかるだけでなく、ディスプレイで全体を読んでいくのは生理的にも苦痛となります。
アクロバットのように、ファイルの中にインデックスを持つことができるものでも、メモリの少ないパソコンで利用することを考えると、ページ数が少ないほうが有利といえるでしょう。 おおよその目安としては、100ページ以下を基本とすべきです。
前項で、分類の階層を深くしないほうが良いとしていますが、5階層目にこのような書類が来たときには、6階層目を作ることも必要です。

   
日付を明確に
 

書類には、作成日、作成者を記入し、電子化の際にはこれらをキーワードとして登録します。書類を修正した時には、その修正日も併記します。特に電子化に際しては、ファイルに自動的に付加される日付は、そのデータを登録した日となり、実際に書類を作成した日付とは異なる場合があります。

   
書類の保管期限の明確化
 

書類の保存期限は、法律で定められたもの以外に、ISO9000などで決めているものがあります。官庁での書類は、情報公開法の関係で定められたガイドラインに従った管理基準を作成し、保存や廃棄をする必要がありますが、一般企業などでも、これと同様の管理基準を作成しておいたほうが良いでしょう。
一定の時期にこの保存期限を参照して、書類の廃棄ないしコンピュータからのデータ消去を行い、保管場所の削減を行います。 (「書類の保存期間」参照)

   
データの保存媒体、保存方法
 

書類を電子化する場合、そのデータはできる限り一般的なファイル形式とするべきです。書類をスキャニングしてイメージデータとする場合、最近ではPDF形式とすることが多いようですが、PDF形式から他のファイル形式に変更することは、特別なソフトを利用しない限り、一般には困難です。将来OCRでテキスト化しようとしている場合などは、白黒で写真などが無い場合はモノクロ2値で取り込みTIFF形式とし、ファイルの圧縮にはG3ないしG4圧縮とすべきです。カラーの場合はJPEG形式が無難なところでしょう。(「電子保存での注意点」参照)
保存媒体についてもよく質問されるものですが、これについてはそこで使用しているシステムともっともよく適合した媒体が最適と言わざるをえません。ただ、、1つのメーカーだけから聞くと、そのメーカーにとって最も都合のよいシステムを提案してきますので、いくつかのメーカー、あるいはシステムハウスにも問い合わせてみると面白いでしょう。

 

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Updated on 2013/09/28