文書情報の整理・整頓

文書情報の整理・整頓

文書情報が整理できていない場合は、整理・整頓から始めることになりますが、これは口でいうほど簡単ではありません。

まずは大雑把に分類してみます。この分類についてはそれほど厳密さは不要で、言ってみれば適当に分けてみるような感じです。大雑把に分類できたら、重複しているものや、明らかに不要なものを廃棄して全体の量を減らします。

整理と整頓

整理と整頓は同じような感じで使っています。しかし「整理」とは、「乱れた状態にあるものをととのえ、秩序正しくすること。」(広辞苑)であり、「整頓」は「よく整った状態にすること。きちんと片づけること。」(広辞苑)です。「整頓」説明の中に「『頓』も『整』も整う意」としています。これから伺えるのは、どうしようもなく乱れたものをある程度整えることが「整理」であり、ある程度整えたものをさらにきちんと片づけて整った状態にまで持っていくことが「整頓」と言えます。

書類整理などの説明では、整理とは「不要なものを取り除く」ことであるような言い方をする場合もありますが、これは「整理」の意味の(広辞苑での2番目の説明)の「不必要なものを取り除くこと。」を強く意識しすぎたものです。確かに乱雑な書類には不要なものが多く紛れ込んでいる場合が多く、捨てることが重要であるケースが多いのも事実ですが、これを意識しすぎると、必要なものまで捨ててしまうことになりかねません。

書類の廃棄

組織において書類を廃棄するときの基準としてはいろいろあげられていますが、一般的には以下のようなものです。

重複している文書
余分に複写または出力したりもらったりしたもののほか、他から複数もらったりしたものはできるだけ早く廃棄します。変に複数残されてると、どこか違うところがあったため、別バージョンであるために残したものか確認することが難しくなります。
社内連絡文書などで用済みとなったもの
期限が過ぎたもの、対応済みの連絡文書など。但し発信元などでは、次年度に再利用する可能性があるだけでなく、このような文書を発信したことの証拠として残す必要はあります。
内容が陳腐化した文書
技術的な内容のものは、社会的環境や技術進歩などにより陳腐化しやすいものですが、陳腐化したものを間違って使わないためにも廃棄します。
正式文書を作成するための原稿
これは文書のまとめ方や表現方法を決めるときに使った原稿のことです。内容について検討した時に使った文書の場合は、内容の再確認やアカウンタビリティ(説明責任)などで必要となる可能性もあるため、保存が必要な場合もあります。
法廷保存年限が終了した文書
法律などで保存が義務付けられている文書は、通常は期限が来れば不要となりますので廃棄します。
差し替えられた最新版以外の文書
手順書、マニュアルなどは、古いものがあると間違える原因となりますのです新しいものに差し替えたあと、古いものを廃棄します。内容についてなぜ変更したかの文書は別途保存するほか、見直す時に利用する可能性も高いため、元の文書も間違えて利用しないように注意して保存します。

 

これまでは、できるだけ捨てましょうと説明されてきましたが、最近ではアカウンタビリティのために、決定した時の経緯が分かるようにするためのものや、その根拠となった資料などを残すことが要求されてきているため、書類の廃棄には細心の注意が必要です。ただ将来が不安だからといって、あれもこれもと残していては整理が進まないため、ある程度の思い切りは必要となります。

分類と整理

不要な書類を廃棄すると書類の量も減り、後あと探しだすいように分類していきます。個人的なものであれば自分の思うようにすればいいのですが、複数の人で利用する書類では、皆で共有した考え方に基づいて分類していきます。

組織として分類・整理はて行くとき、勝手な考え方を許してはいけません。
一度分類できたものを勝手に別の分類のところに移したり、分類名を変更したり、新しい項目を勝手に作ってしまったりしたのでは、他の人にとっては非常に使いづらいものとなりかねません。

電子文書・電子化文書の分類と整理

電子データの分類と整理についても、紙の書類と同様な考え方で行いますが、電子データならではの注意点があります。

もっとも注意が必要なのはアクセス権に関するものです。アクセスを制限すべきデータを、あまり制限されていないところに移したり、逆に制限の厳しい部分に移してしまうと、読んではいけない人に対しても公開してしまったり、逆に必要なデータにアクセスできなくなってしまえ危険性もあります。