公文書管理の実態

2019年4月23日に開催された公文書管理委員会(第76回)で、行政文書の管理に係る取組の実態把握調査の結果が報告されています。
この中でいろいろと問題点を指摘していますが、このうちのいくつかについてコメントしてみます。

1年未満保存文書の中に、職員向け研修資料、マニュアル類が含まれていたとされていますが、このような文書は常備しておくような資料であり、保存期間を設定することが誤りです。研修資料やマニュアル類は、単に保存するだけでなく、問題点や改良すべき点が見つかった時には随時それを修正して、元の文書と共に残しておくものです、ただ、これらは行政を行うための文書ではないため、「行政文書」の意味を取り違えていたものと思われます。

また、「政策立案に係る行政文書」について「具体的にどの範囲の行政文書を作成し、保存するかについては、調査対象部署により差がみられた。」とされています。これはある程度はやむを得ないことでしょう。検討する余地があまりないような場合はすべての関連文書を保存できるでしょうが、複雑な経緯をたどるような場合は、どこまで保存すべきかについては、その判断は非常に難しいものとなるはずです。

例えば検討中にアイデアをメモしたものまで残すべきかです。明確なルールを作ろうとしても、どうしてもあいまいな所が残されるのではないでしょうか。

 

 

 

2019年05月06日