裁判記録廃棄

2019年11月4日の読売新聞に「裁判記録廃棄 史料価値への認識が低すぎる」との社説が掲載されました。

民事裁判の判決文以外の裁判記録については、歴史的価値のある記録が永久保存の対象となっているほかは、裁判終結後、1審の裁判所が記録を5年間保存するように最高裁の規定で定められているようです。

同様に、刑事裁判でも著名事件など約700件が「刑事参考記録」として永久保存されているとのことですが、それ以外のものは判決確定後の記録は一定期間、検察庁に保管した後、原則廃棄されているとのことです。

以前、弁護士の先生に裁判の内容について話を伺ったことがあったのですが、たとえ弁護士でも判決文以外の記録については閲覧することは難しいとのことでした。判決文は全文が読めても、具体的な根拠となる証拠などは「甲1」などと書かれてるだけで内容はわからず、十分に理解することはできないそうです。

一般の組織でも、会議録に結論だけを記載していても、後日その結果についてどこまで検討し、どのような議論がなされた上での記録が残っていなければ、説明責任を果たすことができないため、問題が多いとされています。関係するすべてのものを残すのは無理があっても、すくなくとも概要が分かる程度には残したいものです。

 

 

 

2019年11月04日