検査データの改ざん

免震・制御装置の検査データの改ざんがマスコミをにぎわしています。(2018年9月16日公表
これは2003年からおこなわれていた可能性があるとのことですが、公表された70件の施設のうち半数以上の42件はデータが残っていいないため、基準に適合しているかどうか不明とされています。

これら公表された施設が、いつ建設されたかの時期は明確にされていませんが、免震・制御装置が多く使われるようになったのは2011年の東日本大震災の後であることを考えると、検査データは短期間しか保存されていないと見受けられます。

検査データなどは法律で保存が義務付けせれているものではなく、その会社で独自に決めてもよいものですが、品質保証やアフターサービスのためにある程度長期間の保存は必要だと思われます。もっとも改ざん後のデータはすべて保存してあったかもしれませんが、このような時に説明責任を果たすためにも、検査の生データを何らかの方法で残すべきでした。

家電製品のように、その製品が使われる期間が比較的短いものであれば、必要以上にデータを保存するのは不必要でしょうが、建物の場合は短くても30年以上はあるはずで、免震や制御の性能を左右する重要な装置であることを考慮すれば、データ保存に対して注意を払っていただきたいものです。

2018年10月20日