4.書類の整理
4-5.構造化データと非構造化データ (旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)

ファイリングの部屋
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これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

 

書類の種類」のページでいろいろな書類の具体例を挙げてみました。また、「書類の分類」のページでは行政文書の管理方法についてのガイドラインに沿った整理法を書いています。
一方で、文書データを整理する上では、比較的管理が簡単なも構造化データと、整理しにくい非構造化データに分けて考えることも大切です。
 
構造化データ
 

帳簿類である経理データや購買データ、販売・在庫データなど、データベースとして管理できるデータです。これを管理するには汎用のデータベースシステムなどを利用すれば、簡単に整理することが出来ます。
もともとデータベース化されているものがほとんどですが、書類として存在しているものでも、手間は別としてデータベース化することは容易に出来ます。

   
非構造化データ
  整理が簡単な構造化データに比べ、一般のオフィス文書や電子メールだけでなく、写真や画像も取扱いが難しく、整理しにくいものです。このような整理しにくいデータが少なければ話は簡単ですが、一般には構造化データの 4倍以上はあるといわれています。
非構造化データを整理するには、簡単には大分類・中分類・小分類に分けて整理は出来ますが、検索性をあげるためには何らかの索引をつけてデータベース化する必要があります。
   
管理台帳の作成
 

文書を管理する時、文書にタイトル、作成者などの情報を明確にすれば、文書の検索性を高めることができます。
この管理台帳を作成する基準は JIS Z 6017「電子化文書の長期保存方法」に規定されていますが、ダブリンコアの項目の基本要素に従って作成するとされています。

管理台帳の例
番号 電子化文書名
(資料名)
作成者、所属、日時 登録日時 登録責任者 ページ数 登録媒体
管理番号
・・・・ 媒体保存場所
1 xx文書              
2 yy文書              
3 zz文書              

   
ダブリンコア(Dublin Core)
 

Dublin Core(ダブリン・コア)とは、Dublin Core Metadata Initiative が制定した標準仕様で、もともとはウエブ上のリソースを記述する共通の標準として制定されたものです。
ダブリンコアをベースとした管理台帳の作成基準については、JIS Z 6017「電子化文書の長期保存方法」の附属書3にも説明がありますが、より詳細にはJIS X 0836「ダブリンコアメタデータ基本記述要素集合」に規定されています。

ダブリンコアには、15の基本要素と呼ばれるものがあります。
項番 ダブリンコア 要素名 ダブリンコアの説明 管理台帳への登録内容
1 タイトル
(Title)
リソースの名前 電子化文書名、電子化文書のバージョン
2 作成者
(Creator)
リソースに対して責任を持つ人、組織 作成者
3 主題
(Subject)
情報資源のトピック、分類コード  
4 内容記述
(Description)
要約、目次、検索キーなど 要約、目次、検索キー、ページ数、総バイト数
5 公開者
(Publisher)
情報資源を現在の形態にしたもの(出版社、大学など)  
6 寄与者
(Contributor)
著者以外で文書の作成にかかわった人又は組織(編集者、翻訳者など) 登録部門の責任者、管理部門の責任者、移行責任者
7 日付
(Date)
現在の形で利用できるようになった日(作成日、公開日など) 登録日
8 資源タイプ
(Type)
情報資源の形(ホームページ、小説、辞書など)  
9 フォーマット
(Format)
情報資源のデータ形式(Postscript、PDPなど) 電子化文書のフォーマット
10 資源識別子
(Identifier)
情報資源を一意に識別するための名前(URI、ISBNなど) 電子化文書の識別子(登録媒体ID+ファイル名など)
11 情報源
(Source)
情報資源の出所となった情報資源の識別子 原文書の識別子
12 言語
(Language)
情報資源を記述している言語  
13 関係
(Relation)
他の情報源との関連付け(別バージョン、別フォーマット、参照など) 試験標板の特定情報
参照ログの特定情報
電子署名、タイムスタンプ、暗号鍵などの特定情報
バックアップの特定情報
旧バージョンの特定情報
登録媒体、媒体保管場所の特定情報
14 時間的、空間的範囲
(Coverage)
地理的場所及び時間的な内容に関する情報資源の特性  
15 権利関係
(Rights)
権利に関する記述及び利用条件(著作権記述など) 参照権限、更新権限

通常の文書管理では、これらの要素全てを用いる必要はありませんし、要素名はなじみのある名前とするべきで、管理台帳の作成の項で示したような台帳を、それぞれの組織に合わせて工夫すれば十分です。
しかし一度作成した台帳に、新しく項目を追加することは非常に面倒となりますので、十分な検討が必要です。

 

 

| Topページ | 0.はじめに | 1.情報の記録 | 2.増加する書類 | 3.作成から廃棄まで |
| 4.書類の整理 | 5.書類の電子化 | 6.電子化書類の活用 |

backnext| 7.電子ファイルとファイリング | 8.LANの活用と問題点 | 9.ファイリング意識の向上 |
| 10.ファイリングを考慮した書類の作成 | 11.マネジメントシステム |
| 12.リスク管理 | 13.ファイリングに関する動き | 14.付録 | 15.編集雑記 |


Updated on 2013/09/28