13.ファイリングに関する動き
13-8.文書フォーマットの国際標準化
(旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)

ファイリングの部屋
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これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

 

電子文書の保存フォーマットはいろいろなものがありますが、これらは国際的な基準であるISOによって標準化されてきています。
 
ISOについて
 

ISO(International Organization for Standardization)は国際標準化機構と呼ばれているもので、いろいろな基準が制定されています。
一般の人にも耳に入るのは品質マネジメントシステムのISO9000や、環境マネジメントシステムのISO14000などがあり、これらは日本の工業規格であるJISとしても制定されています。一般にはISO9000やISO14000と単純に呼んでいますが、厳密にはISO9000sとされ、ISO9000、ISO9001、ISO9004なども含めてISO9000ファミリーと呼ばれています。ISO14000も同様に、ISO140002ファミリーとしていくつかの標準が規格化されています。
ISOには関連するものがファミリーとして規格化されているものも多くあります。

ファイリング関係では、記録管理のISO15489(「記録管理のISO15489(JIS X 0902」のページ参照)があります。

     
PDFの標準化
  PDFはアドビシステムズ社が開発したフォーマットで、これまでにも「PDF/A」(電子文書の長期保存)や「PDF/X」(商用印刷)もISOとして標準化されてはきました。しかし、アドビ社はPDFの標準化を目的として、2007年1月にアメリカのドキュメントや情報管理の団体であるAIIM(Association for Information and Image Management)に対し、PDF1.7の全仕様を譲渡しました。これを受けてAIIMではISOの規格として策定し、ISO32001として、2008年7月に正式に承認れさました。これまではPDFの仕様は全てアドビ社が自由に変更・改訂が可能であったのに対し、国際標準化されたため、アドビ社が直接コントロールすることはできなくなりました。
これは政府や自治体などでは、誰でも自由に無償で利用できる規格(オープンスタンダード)を優先的に採用していこうとする動きに合わさざるを得なかったことから生じていると思われます。
     
ISOで規格化された各種のPDF
  PDFそのものの規格は2008年と比較的最近ですが、それまでにもPDFの一部は、特定の用途向けにいくつか規格化されています。
     
  PDF/X
   

印刷を目的としたもので、ISO15930ファミリーとして規定されています。PDF/Xはいくつかの規格があり、PDF/X-1からPDF/X-5まであります。PDF/X-1a(ISO15930-4)で、フォントの埋め込みや画像の埋め込み、また色を正確に示すためのカラー空間の指定も含みます。

     
  PDF/A
   

長期保存を目的とした規定で、ISO19005-1で規定されています。長期間保存しても、内容が正しく表示できるようにフォントを埋め込むことや、メタデータを埋め込むことが規定されています。

     
  PDF/E
   

エンジニアリング・ワークフローでの使用を目的としたもので、ISO24517として規定されています。3次元データや複雑なCADデータなどを組み込めるようになっています。

     
XML文書フォーマット
  ワープロなどの保存形式は、ソフトの開発メーカーごとに異なった仕様を決め、いろいろな形式のものが利用されてきていましたが、これも XML として規格化されてきています。
XML標準化団体であるOASIS(Open Document Format for Office Applications) では、XML規格で作成したファイルをZIP圧縮したファイルであるODFをISO/IEC 26300 として標準化しています。このODFはワープロだけではなく、表計算やプレゼンテーションの形式などもサポートしています。
日本語のものとしては、いち早くジャストシステムの「一太郎」や「花子」が対応していました。
Microsoft社のOffice2007も、XMLをベースとしたファイルフォーマット(Office Open XML)を採用おり、早くからISOとして承認をするように働きかけていましたが承認は遅れ、2008年4月になってようやく承認されることとなりました。
     

 

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Updated on 2013/09/28