4.書類の整理
4-3.公的文書と私的文書 (旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)

ファイリングの部屋
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これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

一般に、ファイリングの対象とされる書類は、個人的なメモではなく、業務に使用された書類(公的文書)が対象となります。これに対して、これら文書を作成する過程で作成した下書きやメモ類は、個人的な文書と考えられ、この書類の管理は、すべて個人にゆだねられています。
 
公的文書、私的文書とは
 

刑法などで公文書としているものは、公務員が作成した文書のことですが、ここで公的文書としているものは、公文書ではなく、一般の会社などで作成している文書のうち、複数の人から公式な文書と認められたものを示しています。
これに対し私的文書とは、個人的に使用する目的で作成されたものであり、メモや公的文書を作成する過程で作成した下書きなどを示しています。
会議録などを会議メモと表題を付けていても、これを複数の人に配布しているような場合は、公的文書とみなせます。
実験ノートなどは、考え方についていろいろとメモを書くものであり、私的文書のようですが、業務として研究を進めている場合は、特許権などの関係から知的財産の一部として公的文書としなければなりません。

 


公的文書や私的文書といった言葉は一般には使われませんが、ここではいわゆる公文書・私文書と区別するために、あえてこのように表現しています。

   
公的文書の保存
  公的文書はファイリングにおいて保存対象とされる書類であり、その組織で共有化されている必要があります。この文書は、個人が勝手に廃棄することは許されず、必要な期間保存した上で、合意のもとに廃棄する必要があります。
公的書類の 保存期間については「書類の保存期間」のページを参照してください。
   

私的文書の保存・保管

 

個人的に利用するだけのために作成したものであり、その目的が達成されれば、自由に廃棄することができます。プロジェクトや日常の業務の動きなどを記したいわば日記のようなものは、かなり長い期間保管されることになるでしょう。
公的文書を作成する前段階として、考え方を書いたものなどは、その考え方をすべて活用できた場合以外は、捨ててしまうのは惜しくなり、しばらく保管しておく事が多いと思います。このような書類は捨てる決心がなかなかつかず、自分の保管スペースがある限り残してしまいます。
保管スペースに余裕がある場合は、このような書類が大量に残されてしまうため、例えば総務部門などが音頭をとり、書類整理のキャンペーンを行う必要があります。

   
公的文書と私的文書の区別
 

公的文書と私的文書の定義は、上で述べていますが、実際にはその区別を明確にすることはできず、灰色として残るものはあります。
複数の人で一つの報告書を作成しているような場合、この下書きのような文書は基本的には私的文書とみなす事ができます。作成した下書きをペースに、新たな項目を追加したり、表現を変更したりする場合は、ペーストなった書類を保存する必要は特にはありません。しかし、全く別の観点からまとめなおしたりするような場合は、その前の文書は、ある程度保存する必要があるでしょう。

   

公的文書の私的保管

 

公的文書はその組織の共有書類として、誰でもが利用できるように(もちろん機密文書の場合は必要なアクセス制限をした上で)保管する必要がありますが、この文書の共有化が進んでいない場合、公的文書を個人として保管することになります。このような状態の場合、私的文書と公的文書が混在することとなり、他の人は利用することが事実上不可能となるため、公的文書であっても私文書化してしまいます。
公的文書を共有の場所で保管しなければ、せっかくの財産を無駄にすることとなります。

   
私的文書の公的性格
  私的文書は個人の責任で保管・廃棄を行うことが原則です。このため電子データの場合は、公的文書はサーバーなどに保存することが求められ、私的文書の場合は、各自のパソコンに保存するように指導されがちです。サーバーは各自のパソコンに比べ信頼性があるだけでなく、システム管理者が定期的にバックアップするなどして、データの消失に対して万全に備えています。一方個人のパソコンの場合は、バックアップを取ることはまれで、ハードディスクが壊れたときはあきらめざるを得ません。
しかし私的文書の場合でも、大切な公的文書となるべき書類を作成している途中の場合、特に一人で作業を行っている場合は、この文書は下書き段階であっても、かなり公的な性格を持っており、準公的文書として取り扱う必要があるように思えます。
   

 

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Updated on 2013/09/28