5.書類の電子化
5-3.書類のスキャニング (旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)

ファイリングの部屋
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これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

 

書類をスキャニングしてイメージファイルとする時に、いろいろな選択肢があります。スキャニングの精度、データファイルの形式などです。
 
スキャニング精度
 

scannerスキャナーで画像を取り込むときに、どの程度きれいにとるかを決めるもので、通常「dpi」という単位で表します。スキャニングは、書類などを非常に小さな部分に分割してその部分の色合いをデータ化するもので、200dpiとか400dpiなどと表示します。これは1インチを200とか400に分割することを示しています。1インチは25.4mmなので、200dpiでは、0.127mmごとに区切ってデータを読み取ることを示しています。

実際の書類を取り込むには、きれいな方がいいことはもちろんですが、きれいに取り込もうとすればそれだけデータ容量が多くなり、保存のために必要な記憶容量が必要なだけでなく、表示に時間がかかるなど取り扱いが面倒となります。これらを考慮して最適な値を選ぶことになります。

小さい文字や精細な図を含む場合は精度よく取り込む必要がありますが、特殊な場合以外は400dpiもあれば十分といえるでしょう。ワープロで作成したような書類では、200dpiもあれば見た目でもかなりきれいに見えるため、これで十分といえるでしょう。(精度を2倍とすると、縦横ともに2倍になるため、データは4倍の容量になります。)
文字をスキャニングした後、OCRを使いテキスト化する場合には、200dpiでは誤認識が大きいため、400dpiで取り込む必要があります。

   
色数
 

1箇所のデータをどのような色合いで取り込むかを決めるもので、モノクロの場合は、2値(白または黒)、グレースケール(通常は16階調)であり、カラーの場合は256色、6万4千色、フルカラー(1600万色)などを選びます。
モノクロの書類・図面などは2値とし、写真などではグレースケールを選びます。2値では1画素のデータを1ビットで表すのに対し、16階調のグレースケールでは4ビット必要とするため、4倍の容量となります。

カラーは256色でも8ビットを使うため、モノクロに比べて非常にデータサイズが大きくなり、注意が必要です。フルカラーは24ビットであり、256色の3倍の容量が必要ですが、書類に使用されている色あいなどによっては、JPEG圧縮を行うときに圧縮のしやすさの影響で、フルカラーの方がデータサイズが小さくなる場合もあり、実際に取り込むときはテストを行い、最適なものを選ぶ必要があります。

   
色の調整
  カラーを取り込んだ場合、どうしても多少の色合いが変わってきます。印刷会社などでは十分調整したディスプレイを使うことで微妙な色の調整が可能ですが、一般にはほぼ不可能と考えるべきでしょう。オフィスで使うカラープリンターは、同じデータをプリントしても、メーカーや機種によりかなり違った色になってしまいます。画面で見る場合でもディスプレイによって色合いが違うため、カラーの取り込みはスキャナーの自動設定のまま取り込むだけとせざるを得ないでしょう。
モノクロの場合の調整は、用紙の色(黄ばみ、汚れなどを含む)の除去、色の濃さの調整(画数の多い漢字が真っ黒につぶれないようにする) 程度は必要です。
   
保存形式と圧縮方法
 

取り込んだデータの利用方法によって、その最適な保存形式を選ぶ必要があります。
モノクロの書類ではTIFF形式とし、その圧縮はFAX-G3形式とすることが一般的な選択でしょう。複数ページの書類の場合は、それを利用するソフトにもよりますが、複数のページを1ファイルにまとめるマルチTIFF形式の利用が便利です。

圧縮形式には、FAX-G3、FAX-G4、LZWなどがあり、それぞれ圧縮率も異なってきます。この圧縮率は、その書類にもよるため、テストして確認することが必要です。表示ソフトによっては、取り扱うことができない圧縮形式もあるため、ソフトに対する考慮も必要です。
カラーの場合はJPEG形式が一般的です。JPEG形式の圧縮は、ファイルサイズを小さくする高圧縮から、画質の劣化を少なくする反面、ファイルサイズが多きい低圧縮のものまで選ぶことができます。しかしその圧縮程度を表す方法が、ソフトによって異なるため、注意が必要です。
(保存方法については「画像保存方法」のページを、圧縮の程度については「データ容量」のページを参照)

配布が目的で、配布したものが改変や修正されないようにするには、文書ファイルにパスワードを設定しておいたり、PDFファイルとして、セキュリティを設定しておくことが行われます。

   
その他の注意点
 

印刷された写真をスキャナーで取り込む時、ほとんどの場合写真全体に大きな縞模様が現れます。これはモアレと呼ばれるものです。印刷された写真は、小さな点(モノクロでは黒の、カラーでは3原色と黒の4色の点)で表されています。これらの点の分布と、スキャニングするときに分割した画素の一が少しずつずれることで生じます。モノクロの場合はグレースケールで取り込むことでかなり解消できます。
ソフトによっては、このモアレを除去するものもあり、試す価値は十分にあります。

原稿が傾いて取り込まれないように注意するべきですが、傾きを自動的に補正するソフトもあるため、取り込んだ後で処理したほうが作業性は上がるでしょう。

   

 

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Updated on 2013/09/28