5.書類の電子化
5-2.電子ファイリングの保存方法 (旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)

ファイリングの部屋
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これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

 

文書の電子ファイリングといえば専用機器を利用したものから、汎用のパソコンをベースとしたものまで、幅の広い選択ができるようになっています。電子ファイリングは、書類をなんらかの形で電子データとして保管し、検索できるようにしたもので、その方法にもさまざまなものがあります。
 

取り扱う電子データの種類

イメージデータ(画像データ)
 

書類を画像データとして取り扱うもので、スキャナーなどを使って電子データ化するものです。図面や写真が中心ですが、古い書類で紙のものしか残っていないものを電子化するための唯一の方法といえます。もちろんイメージデータ化した書類を、OCR(光学的文字認識)ソフトなどを利用してテキストデータ化できる場合もありますが、いろいろな問題点もあり、そのまま利用する場合が多くあります。

書類の電子化の方法として簡単にスキャナーなどと書いていますが、これにも書類の種類、紙の質などによって最適な方法を選ぶ必要があります。コピー用紙のような上質な紙で、しわや破れなどがないときにはオートフィーダー付のスキャナーを用いることができますが、非常に薄い紙やしわなどがひどい場合にはフラットベッド型のスキャナーで、一枚ずつ手作業でスキャニングしなければなりません。

製本された状態のものは、これを解体してスキャニングするのが、もっともコストがかからない方法ですが、 フラットベッドスキャナーを用いるのが一般的です。しかし、本の状態が悪い場合などはスキャニングにより痛みが生じる可能性が高い場合には、本を上に向けて開いた状態でスキャニングできるブックスキャナーを用いたり、いったんマイクロフィルムに撮影し、このフィルムをスキャニングします。
画像フォーマットはいろいろなものがありますが、一般的には白黒画像の場合はTIFF形式、カラー画像の場合はJPEG形式が一般的です。

   
ワープロソフトなどの保存形式のまま
 

パソコンやワープロで作成して保存したデータを、そのままの形で保管しようとするものです。オリジナルデータをそのまま保管できるため、後から再利用しやすいというメリットがあります。しかし、ワープロソフトなどの寿命は短く、バージョンアップが頻繁にあるため、将来いつまで利用できるかが気になるところです。
(ソフトがバージョンアップされたときは、通常古いバージョンのファイルも読めるようになっていますが、完全には互換性がとれていないケースが多く、フォーマットが崩れたりする場合があります。)

   

テキストデータとして

 

パソコンやワープロで作成したデータをテキスト形式として保存するもので、ソフトの種類には依存しないため、非常に汎用性があります。その反面、ワープロなどではそのフォーマット情報が無いため、その体裁が必要な種類の書類の保存には不向きです。

   

PDF形式

 

最近広がりつつあるPDFファイルは、印刷されたものと同じ見え方になるように保存しようとしたもので、文字はフォントの大きさや形式も同時にもっており、内部にテキスト形式のデータも持っているため、単なるイメージとは違い、文字検索もできるようになっています。表示ソフトも、この開発元のアドビ社から無料で配布されているため、特に印刷業者などでは究極の形式のような言い方をされる場合がありますが、利用によっては注意が必要です。

  • 一文字や二文字の修正は問題がありませんが、大幅な修正は不可能にちかく、再利用の面からは大きく制限されます。
  • 表や段組などがあった場合は、文脈に従った文字を取り出すことはできません。
  • アドビ社の独自のフォーマットであり、いつまでサポートされるかの保証がない。
    (経営方針が変わったとたん、サポートの停止や表示ソフトの利用を有料にする可能性があります。インターネット上で画像のフォーマットとしてほぼ標準として無料で利用できたGIFフォーマットも、UNISYS社が突然ライセンスを主張し始めた例もあります。)
  • 作成時のレイアウトと表示が異なったり、一部が表示されない例もあります。(パソコンの環境に依存しているものと思われます。)
    政府が公開しているファイルから例をとってみました。(PDFファイルの一部をイメージ化し、その中から一部を切り出しています。)
    ここではテキストの例だけを挙げていますが、イメージについても同様に、レイアウトが崩れる例はかなりあります。
   
文字が重なっている例です。
旧通産省「IT 時代に求められる 新たな経済・社会制度のあり方」(平成12年10月30日)
(現在は公開されていません)
  表中の文字が切れています。
旧通産省/郵政省「情報通信産業技術戦略」(平成12年3月)
  数字、半角英字が全く表示されていません。(テキスト選択ツールを使えば文字を取り出せる)
中小企業庁「中小企業庁パンフレット-中小企業庁2001-」
(現在は公開されていません)

 

 
その他の方法
  代表的な例としては、古い設計図などの図面をスキャニングしてイメージファイルとした上で、CADソフトで追加修正したものが挙げられます。イメージデータのレイヤーに、CADデータのレイヤーを重ねで、修正の無い部分はイメージデータのまま利用し、修正した部分は CADデータとして保存するものです。
同様の例では、イメージデータとテキストデータを関連付けて保存するなどの方法があります。
 

 

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Updated on 2013/09/28