4.書類の整理
4-1.ファイリングの意義 (旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)

ファイリングの部屋
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これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

 

ファイリングの目的とは、一言で言えば書類を整理して利用しやすいようにすることです。
文書保存・保管であげられる問題点には、次のようなものがあげられます。

(保存と保管の違いについては「保存と保管」のページを参照)
 
1.情報の保管場所不明
 

引き出しの中にしまっていたはずのものが見つからない、というものから、書類を納めたダンボール箱をどこの書庫に入れたかわからなくなったと

いったものまで、いろいろなグレードが含まれます。
特にアメリカでPL法などで訴訟を受けた場合は、とりあえず1週間以内に、関係すると思われる書類をすべて提出しなければ誠意がないとみなされ、敗訴する可能性が高いといわれています。ちょっとしたミスで大きな損害を被る可能性も考えられます。

マーフィーの法則より
重要な書類(Vital papers)は、その元気(vital)さを証明するかのように、置いた場所からどこか見つからない場所へと勝手に移動する。

   
2.検索に時間がかかる
 

保管場所はわかってはいるが、書類に目を通しながら探したりする必要があれば時間がかかってしまいます。類似した書類が数多く含まれ、本当に必要なものがどれか判断がつきにくい場合もあります。
これまでに聞いたもののうち最悪なものは、ある地方自治体での事例です。書類を整理してダンボール箱に入れるところまではいいのですが、長期保管が必要なものはプレハブの倉庫に山積にしています。いざ必要となった時には不要なダンボール箱を別の場所に移動した上でなければ取り出せなくなっており、特に夏場はサウナのような暑さの中で肉体労働をしなければなりません。
情報公開法が制定され、書類の閲覧要求が急増すると思われる官庁、自治体の場合は、書類を探し出す時間をいかに短くするかが問題となります。

   
3.書類の保管場所不足
 

ISO9000sやISO14000などで、保管が必要な書類は急速に膨れ上がってきています。これに対して経費節減などの影響で、オフィスフロアの削減などで保管場所については不足がちになっています。
倉庫会社などで書類の保管サービスを行っているところもありますが、保管料が馬鹿にならず、電子化やマイクロフィルム化などでこの問題を解消しようとする会社も増加しています。
倉庫に移した書類は、すぐには利用することができないため、面倒なこともあり、せっかくの情報を活用できない場合も考えられます。

   

4.書類の個人保管

 

多くの人数で仕事をしている場合で、ファイリングシステムが出来上がっていないと、必要な書類を探す手間をさけるためコピーをとり、各自で所有するようになり、結果的には人数分の書類が出来上がってしまいます。
単にコピーが増えるだけならまだいいのですが、外部から重要な情報を入手したときなどでも、個人でその情報(書類)を所有したままで、結果的に死蔵させてしまうケースも考えられます。

これらの問題点を解消するために、さまざまなファイリングシステムが提唱されています。そこであげられる利点をまとめると

1.書類管理基準の標準化
 

書類を複数の人で共通に使うための、管理基準を明確にする必要があります。管理基準の中には、書類の保管年限や不要書類の廃棄方法なども決めることで、書類そのものの量を減らすことができるようになります。

   
2.保管スペースの削減
 

多くの場所を占有していたファイルキャビネットを削減し、オフィスの環境を見た目だけ良くなるだけでなく、機能的にも向上します。

   
3.検索の効率化
 

大量の書類の中から必要な書類を、できるだけ短時間に、人手をかけないで探し出そうとするものです。ビジネスのスピードアップが求められる現在、非常に重要なことです。

   

4.情報の共有化

 

書類の個人保管のところでも書いていますが、外部から入手した情報などを共通の場所にファイリングすることで、他の人も目にすることができるようになり、情報の共有化が図れることとなります。

   

5.情報の有効活用

 

必要な書類がすぐ利用できないところにあった場合、面倒なこともあり、ついつい取りに行くことなしに済ませてしまうことがあります。簡単なことであればそれで済ますこともできますが、大事な事が抜けたり勘違いが起こりかねません。
倉庫に移した書類は、たとえきちんとファイリングされていた場合でも、すぐには利用することができないため有効活用の点からはあまりお勧めできません。
また、人の記憶に頼っていると、書類を管理していた人が移動や退職などでその部門からいなくなった場合、管理されていた書類はほとんど死蔵されたと同様の状態となってしまいます。

   
6.コスト削減
 

書類を適当に保管している場合は、特に費用が発生するわけではなく、逆にファイリングを整備しようとすれば費用が発生するため、逆ではないかとも思えるかもしれません。しかし、書棚などオフィスでの占有面積にかかるコスト(賃貸料など)、書類を捜すための時間にかかるコスト(人件費)、倉庫などでの保管料などを合計すると、電子化、マイクロフィルム化したほうが有利との試算もあります。 (「ファイリングのコスト試算」のページ参照)

 

| Topページ | 0.はじめに | 1.情報の記録 | 2.増加する書類 | 3.作成から廃棄まで |
| 4.書類の整理 | 5.書類の電子化 | 6.電子化書類の活用 |

backnext| 7.電子ファイルとファイリング | 8.LANの活用と問題点 | 9.ファイリング意識の向上 |
| 10.ファイリングを考慮した書類の作成 | 11.マネジメントシステム |
| 12.リスク管理 | 13.ファイリングに関する動き | 14.付録 | 15.編集雑記 |


Updated on 2013/09/28