8.LANの活用と問題点
8-2.グループウェアとファイリング (旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)

ファイリングの部屋
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これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

 

ネットワークの普及で、グループウェアを導入するところが増えています。グループウェアでは、かなりの業務がネットワーク上で処理されるため、紙の書類が減少し、ペーパーレスが図られるように見えます。しかし十分に注意しなければ、かえって不要な書類が増えたり、必要な書類を紛失するケースも出てきます。
 
グループウェア、ワークフロー
 

会社内では、一般的なネットワークとしての利用以外に、グループウェア、ワークフローといったより進んだ利用がなされるようになってきています。ワークフローは、申請書類、届け出書類などの定型書類の事務処理などを、ネットワーク上で処理するものです。書類の作成、上司の承認、事務部門への送付、書類の保管までの全てを電子的に行おうとするものです。
グループウェアは、ワークフローに加えて、電子メール、電子会議室などの機能のほかに、スケジュール管理、設備予約など加えたもので、グループで、共同して仕事を進めることを手助けするためのソフトです。

これらが普及するとともに、紙の使用量が増加していることは、「OAと紙の使用量」でも触れています。しかし、単に紙の使用量が増えることだけが問題ではなく、重要であるはずの書類が大量の書類の中に紛れ込んでしまい、すぐには出てこない、あるいは間違えて捨ててしまった、などの現象が増えていることのほうが問題です。

   

重要書類の埋没

 

報告書や連絡事項についても、電子メールを使えば、複数の人だけでなく、遠くの人(例えば地球の裏側iでも)すぐに送ることができます。このことは、本当に必要な人にだけ送るのではなく、ついでにでも読んで欲しい人全てに送ることになります。メールの宛先で、[TO]と[CC]を区別しないで、全員に対し一律に送る人も多く、読むほうはいちいち重要度を判断しなければなりません。

メールソフトでも、送られてきたものをそのまま表示するだけのものがほとんどです。[TO]で送られてきたのか、あるいは[CC]または[BCC]として送られてきたのか、一見してわかるように表示方法を変えてくれれば、もっと便利になるのですが。

そのうえ、メールなどに対するコメント・返事などでは、ついつい書きすぎてしまうことで、ネット上での論争が始まることも、時々おこってしまいます。これを、当事者間で行っているだけであれば、当事者だけの問題ですが、全員に返信していると、読まされるほうはたまったものではありません。このように、ほとんど不要なメールが大量に送られている中に、重要なメールがあったとき、読み飛ばしてしまう危険性が多いといえるでしょう。

   
不用意な書類の廃棄
  安易にメールを削除してしまうことは「ネットワークとファイリング」でも触れていますが、業務で利用している場合には、深刻な問題です。受け取ったほうは、上の項のように読み飛ばしてしまい、さらに送ったほうも、安易に削除してしまう。メールを受け取ったほうは、そんなことは知らないといい、そのメールを再送するように依頼すると、すでに削除して無くなっていた場合は、送っていないと判断されても仕方がありません。(実際に、私の身の回りで起こったことです。)
   

目に見えない業務量の増加

 

ワークフローでは全ての人に対して、入力作業が要求されます。紙の書類で行われていた各種申請や、旅費清算などでは、書き方が多少間違えていても、内容さえ合っていれば良しとされても、システムを利用すると全く融通がききません。このため、必要以上に入力に時間がとられてしまいます。さらに、承認者にとっても、画面でデータを確認するのは、紙の書類を見るのに比べ不便であり、時間がかかりっています。
特に、たまにしか利用しないシステムでは、操作法そのものを思い出すのに時間がかかってしまいます。下手にシステムを導入することで、全社的にはかえって業務量が増加している可能性もあります。
また、ワークフローシステムを利用するために、 かなりの人がそのマニュアルを印刷し、入力の際に参照しているのが実態で、ここにも不要な書類が増加する要因があります。

   
言いっぱなしの電子会議室
  普通、会議を開いた場合は、誰かが議事録を作成し、その参加者や関係者に配布するとともに、その書類を保存します。しかし、電子会議室の場合、時間や場所に拘束されないメリットがある反面、会議内容をまとめることはまれであり、議事内容を保存することについて、ほとんど配慮されていません。まだ普及が始まってそれほど時間が経っていないため、問題はあまり生じていないようですが、今後はデータ保存まで配慮した運営が重要となるでしょう。
さらに議長役があいまいなため、議論が発散する可能性が高くなります。
   
情報が集まらない社内の電子会議室
 

社内の電子会議室は、名前が出ることが普通で、匿名での書き込みを許していない場合がほとんどです。誰が書き込んだかが一目瞭然なため、本音での議論は行いにくくなります。またQAのコーナーを設けても、簡単な質問をすると、あの人はこんなことも知らないのかと思われそうで、高級な質問しかできなくなってしまいます。
ノウハウを集めたい場合でも、ノウハウの1つ1つは簡単な事が多いものです。簡単なものの組み合わせから、大切なノウハウが出来上がっているケースの場合には、簡単なことをノウハウであると言うには、技術者としてのプライドが邪魔をしてしまいます。

   

 

| Topページ | 0.はじめに | 1.情報の記録 | 2.増加する書類 | 3.作成から廃棄まで |
| 4.書類の整理 | 5.書類の電子化 | 6.電子化書類の活用 |

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| 10.ファイリングを考慮した書類の作成 | 11.マネジメントシステム |
| 12.リスク管理 | 13.ファイリングに関する動き | 14.付録 | 15.編集雑記 |


Updated on 2013/09/28