13.ファイリングに関する動き
13-3.CALSについて
(旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)
ファイリングの部屋
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これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

 

CALSとは

 

CALSとは「精算・調達・運用支援統合情報システム」と訳されていますが、この内容は少しずつ進化しており、より幅の広いものを含むようになっています。CALSの略称は同じままで、それが表している内容は変化してきました。

Computer-Aided Logistic Support (コンピュータによる兵站業務の支援)
Computer-Aided Acquisition Logistic Support (コンピュータによる調達と兵站業務の支援)
Continuous Acquisition and Life-cycle Support (継続的な調達とライフサイクルの支援)
Commerce At Light Speed (光速の商取引)

もともとCALSは、米軍の後方支援部隊のシステム化から始まっています。兵器はハイテク化、高度化により複雑化し、そのマニュアルも膨大なものとなっています。たとえば「F16」戦闘機の場合、約3500冊になり、イージス艦では、文書の総重量が20トン以上にも達するようです。航空母艦では、それに積んでいるマニュアルにより、喫水が何センチか沈むとの話もあり、これらを電子化しようとすることから始まりました。

 

CALSによる効果

 

米国の国防省がCALSに対して期待した効果は次のようなものです。

  1. 技術情報データベースを統合することで品質向上を図る
  2. 紙や重複したデータ作成作業の廃止でコストを削減する
  3. オンラインの調達で、設計・開発・製造に必要な時間が短縮できる

このようにももともとは兵器マニュアルの電子化(ペーパーレス化)から始まったものですが、ここではさらに、兵器の開発・調達業務の電子化まで含んでいます。

   
CALSが与える影響
 

国防省での成功を見た商務省は、これを全産業に拡大することを目指しました。
また、94年のクリントン大統領による大統領教書で「米国の連邦関連機関の資材調達をすべて電子化する」と発表し、電子調達(EC)が急速に発展することになりました。

日本でも自動車や電子機器業界などは、製品を海外(特にアメリカ)に輸出しようとするときは、メンテナンスマニュアルを電子データとして提供しなければならなくなるなど、CALSを導入せざるを得ない状況になりました。特に建設業界は建設省が中心となり、 「建設CALS/EC」として、公共工事の電子入札や、完成図書の電子化をテーマとしてあげ、現在ではその一部の工事に適用されています。

これら業界は、いわばピラミッドの頂点に位置するような企業を中心に始まっていますが、下請け、孫受け企業への波及効果だけでなく、他の業界からの調達も多いことから、他業界に対する影響も計り知れないものがあり、CALSの波を広げつつあります。

   

 

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| 4.書類の整理 | 5.書類の電子化 | 6.電子化書類の活用 |

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Updated on 2012/01/04