3.作成から廃棄まで
3-2.書類の参照頻度と寿命 (旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)

ファイリングの部屋
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これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

 

保管されている書類は必要に応じて参照されますが、書類の種類によって、この参照のされ方が異なります。作成された時から、継続的に参照されるものから、一定期間が過ぎて参照されるもの、ほとんど参照されることは無いものまで、いろいろなパターンがあります。
 
時間の経過と共に参照頻度が低下していくもの
 

書類の作成直後は参照頻度は高いものの、時と共に利用されなくなってくるものです。
規則・規定や規格の制定や改訂を通知した書類などがこれに該当します。新しい規則・規定や規格などは、内容を理解するまでは、たびたび参照されますが、ある程度理解が進むと、参照されなくなります。
これらの規則類を改定する時には、その担当者だけは手元において改定作業を行うことなります。改訂の通知書類が出されると、主管部門で、改訂履歴保存のためにファイルされる以外は、古いものがあると混乱するため、直ちに廃棄します。

ナレムコの統計
  時間の経過と共に、参照頻度が低下していくことを示したものに、ナレムコの統計があります。「ナレムコ」とは、米国の記録学会(NAREMCO:National Records Management Council)の通称です。
この調査結果によれば、一般文書の場合は作成された直後はよく使用されますが、半年経過すると使用頻度は10%程度となり、1年経過すると1%以下しか使用されない、とされています。
(この調査報告の原文は読んでいないので、なんらかの前提がついていたり、ある条件の下だけで成り立つものかもしれません。)
   
通常はほとんど参照されないが、一定期間後に利用のピークが現われるもの
  人事や総務部門で行う、スケジュール化されたイベントに関する書類などがこれに該当します。新入社員教育の資料では、教育が終了すると不要となりますが、次の年の教育計画を策定するときには、昨年のものを参照したり、再利用するほうが便利です。しかし、2年前や3年前の資料を利用することは、ほとんど無いため、1〜2年保存した後は廃棄します。
   
常はほとんど参照されないが、一定期間ごとに利用のピークが現われるもの
  法律で一定期間ごとに点検が必要な装置類のカルテなどが該当します。点検をはじめる前に、前回だけでなく数回前の補修内容もチェックし、あらかじめ注意すべき点を確認した後、点検作業に入ります。点検手順は、前回のものを参考にして決定します。点検終了後、補修が必要なものは補修を行い、これを記録して一連の作業は終了します。
   
ある程度の期間が経過した後に参照されるが、その期間は個別の事情で変化するもの
  オーダーメイドの機械類や建築物の設計図などが該当します。ものが完成するとしばらくは参照することもありませんが、修理やメンテナンスの時に参照されるものです。
修理やメンテナンスの時期は、それぞれの装置に固有の事情によって決まってきます。その機械が廃棄される時まで書類は保管・利用されます。非常に耐久性のある建築物などでは、書類の寿命もそれに応じて非常に長いものとなり、場合によっては永久保存されるものも出てきます。
   
ほとんど参照されることは無いが、特別な事情が発生した時のみ利用されるもの
  購買関係で発生する発注書、納品書、請求書、領収書などの証憑類がこれに該当します。これらの書類は、帳簿に記載すると、法律上の保存義務はあるにしても、業務上は参照の必要はなくなります。しかし、税務調査などで提出が求められ時に必要になるだけで、通常は保存されただけで、一定期間後には廃棄されることになります。
   

もちろん、このような典型的なパターンだけでなく、これらが組み合わさったものもあります。

 

| Topページ | 0.はじめに | 1.情報の記録 | 2.増加する書類 | 3.作成から廃棄まで |
| 4.書類の整理 | 5.書類の電子化 | 6.電子化書類の活用 |

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| 10.ファイリングを考慮した書類の作成 | 11.マネジメントシステム |
| 12.リスク管理 | 13.ファイリングに関する動き | 14.付録 | 15.編集雑記 |


Updated on 2013/09/28