12.リスク管理
12-1.書類
のリスク管理 (旧「ファイリングの部屋」アーカイブ)

ファイリングの部屋
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これまで hi-ho.ne.jp で公開していた「ファイリングの部屋」を、この新しいドメイン(filingroom..jp)にもコピーしました。不要と思われるページは削除していますが、内容はそのままです。
従来のアドレスにも、当面は残しておきますが、できるだけこちらを利用していただければ幸いです。

 

情報セキュリティーといえば、普通はコンピュータへの不正アクセスを防止し、電子データの外部への漏洩を防止することを示しています。しかし、紙の状態である書類に対するセキュリティに対しては、普通はあまり配慮されていません。

書類に関するリスクは、書類の紛失(事故等による消失も含む)、機密書類の外部への流出、改ざんされることが考えられます。

 
書類紛失と対応策
  誤った書類の廃棄
    重要書類と、通常の書類が混在していると、書類整理の時に、誤って重要書類まで廃棄してしまう可能性が高くなります。これを防止するには、日常から書類の整理・整頓を心がけるしか、方法はありません。
     
  書類の破損・損壊
    書類が破損・損壊するのは、火災、地震、水害(漏水、浸水)が主なものですが、使用中の汚れ、破れなども無視できません。
火災、地震、水害については、建物や書類の保管庫を整備することが大切です。また、使用中の破損などにも対応するためには、バックアップの作成が必須です。
     
  データのバックアップ作成
    重要な書類を、ただ保存しているだけでよい場合には、専用の保存場所(倉庫会社への委託も含む)に、保存するだけでよいでしょう。しかし、これを日常的に使用する場合には、破損を防ぐために、オリジナルの書類ではなく、このコピーを利用するようにします。
書類を電子化することで、単にバックアップを取るだけでなく、その利用が便利になります。日常使用するものは、ハードディスクに保管したり、CD化してジュークボックスに入れ、ネットワーク経由で利用します。この時、データのバックアップを作成し、ハードディスクなどの故障によるデータの消滅に備えることができます。
書類をマイクロフィルム化した場合は、日常の使用でキズがつく恐れがあるためコピーを使用し、オリジナルは別途保管します。
     
  データの分散保管
    せっかく作成したデータのバックアップは、同じ場所で保管した場合、リスク分散にはなりません。事故、火災、地震などにより、データが無くなる可能性があるため、バックアップは、できる限りはなれた場所での保存が大切です。本社、工場、支店など、異なった地域にある場所で、互いにデータを持ち合えば、同時にそのデータが使用できなくなる可能性は、ほとんどなくなります。
会社が1ヶ所にしかない場合には、専門の倉庫会社に委託保存することも考慮すべきです。
     
  電子媒体の保管には、専用の耐火金庫で
    紙の書類の場合は、通常の耐火金庫で十分ですが、電子媒体の場合は役に立ちません。通常の耐火金庫は、もちろん断熱効果もありますが、空気を遮断することで燃焼を防いでいます。紙の場合は、200℃以上となっても酸素さえなければなんら問題はありませんが、電子媒体では、溶解・変形などが起こり、使い物にならなくなります。電子媒体用の耐火金庫であれば、金庫内の温度がほとんど上がらないように作られていますので、かなり防止することができます。
     
機密書類の流出
  廃棄書類の流出
    機密書類を廃棄する場合、シュレッダーによる裁断や、焼却処分が一般的ですが、機密書類を再生紙として処理する会社への委託もあります。これが問題なく処理されていれば、書類の流出はありえませんが、盲点なのは、焼却場や、処理会社への運搬の途中で、トラックから落ちるケースがあります。官庁や公益企業の場合は、新聞などに取り上げられたりしますが、一般企業の場合は報道されることはありません。
これら書類が悪用されるケースは、ほとんど無いとは思えますが、注意するにこしたことはないでしょう。
最も問題となりそうなのは、シュレッダーにかけることなく、そのままごみ箱に捨ててしまい、一般廃棄物としてゴミの集積場に出してしまうことでしょう。 ゴミ袋が、どのオフィスから出たかは、容易にわかるため、悪意を持った人にとっては、情報の入手は簡単にできます。
     
  不注意による流出
    機密書類を持ち歩いていたときに、置き忘れなどで紛失する場合もありますが、だれでも起こしそうなミスに、FAXの宛先間違いがあります。電話の場合は、間違い電話としてすぐ気がつきますが、FAX番号の場合は、書類を送ってしまった後でも、気がつかないケースがあります。
     
  オフィスのセキュリティ
    コンピュータに対する不正アクセスについては、かなり厳しい対策が立てられていますが、重要書類を置いてあるオフィスに対するアクセスに対しては、ほとんど対策が立てられていないのが一般的でしょう。オフィスの中に、外来者を気軽に入れるだけでなく、その外来者を待たせるときなど、1人きりにしてしまうことがないでしょうか。この時、機密書類を机の上に広げていれば、見られてしまう危険性があります。
オフィスへ一旦不正に侵入してしまえば、何でもできてしまうのは、コンピュータに対してのアクセスだけを制限しているのと同じです。コンピュータの場合は、機密度が高くなるにつれてパスワードによる制限など、セキュリティを高めているのですから、紙の書類についても同様に、鍵をかけたり、アラームを取り付けたりすることが望まれます。
また、コンピュータデータの場合は、そのコピーや持ち出しが厳しく制限されているにもかかわらず、これと同程度の重要度を持つ書類については、容易にコピーができたり、持ち出すことができるのは、片手落ちともいえます。
     
ペーパーレス化とセキュリティ
  顧客へのプレゼン資料
   

営業などが客先でプレゼンテーションを行うとき、PCを持参し、プロジェクターを使うなどしてそのPCの画面を見せながら説明するのが広がってきていましたが、これに対し、紙の利用に逆戻りする動きが見え出したとの調査結果が報告されました。
これはガートナー ジャパンが2007年7月に発表したものです。文書・書類の利用については、おおむねペーパーレス化の方向に進んではいますが、「顧客へのプレゼン、売り込み、訴求のための資料」のみ、若干紙の利用に逆戻りしているというものです。
その背景には、企業のセキュリティ対策の一環として、ノートPCの社外への持ち出しが難しくなってきたことがあるとしています。

     

書類の改ざんについては、コンピュータシステムを利用してのものがほとんどであり、紙の書類に対する改ざんは、部内者による意図的なものに限られるといっていいでしょう。

これらのリスクに対して、適切な対策をとることで、かなりの危険性を防止することができます。しかし、内部の者による故意あるいは過失による書類の紛失・流出については、問題として残されます。機密書類を鍵のかかるところに保管し、たとえ部内のものであっても、この利用に対し、厳しい制限を加えること以外には、日常的な教育・啓蒙程度しか解決策はないと思われます。

 

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| 4.書類の整理 | 5.書類の電子化 | 6.電子化書類の活用 |

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Updated on 2013/09/28